2020/01
■ 郵送品の輸入通関
法令:財務大臣規則No.199/PMK.010/2019 12月26日
内容:郵便や宅配サービスなどの郵送品の輸入通関について見直した。
① 輸入関税が免除になる範囲を通関価額3ドルまでに改めた(旧75ドル)。
② 通関価額が3ドル超1,500ドルまでは7.5%の輸入関税と付加価値税がかかるが、所得税はかからない。この税率と通関価額の決定は、輸入関税・物品税・租税納付決定書(SPPBMCP)で行われる。
③ 通関価額が3ドル超1,500ドルまででも、書籍(HS 4901、4902、4903、4904)、かばんやスーツケース(同4202)、繊維製品や衣料(同61、62、63)、履物(同64)は②の例外で、一般輸入の関税や租税がかかる。 など
■ PBB課税対象分類とNJOP決定手順
法令:財務大臣規則No.186/PMK.03/2019 12月10日
内容:土地建物税(PBB)の課税対象のセクターごとの分類(農園業、林業、鉱業、その他、など)と、販売基準価格(NJOP)の決定手順について定めなおした。2020年1月1日に発効。財務大臣規則No.76/PMK.03/2013(直近変更は同No.131/PMK.03/2017)の該当条項と、同No.139/PMK.03/2014は失効。
■ 租税総局長回状
(1)法令:租税総局長回状No.SE-34/PJ/2019 12月12日
内容:租税総局長規則No.PER-12/PJ/2019の細則。課税サービスを利用する活動で使用される物品を輸入するのに必要な、関税地域外からの課税サービスを関税地域内にて利用する証明の発行手順を示した。
(2)法令:租税総局長回状No.SE-35/PJ/2019 12月23日
内容:2018年9月10日付け租税総局長規則No.PER-20/PJ/2018の細則。法務人権省の法人行政システム(SABH)やOSSのシステムを通じた納税者の登録とNPWPの付与の手順についての指針を示した。
■ 社会省の税外収入
法令:政令2020年第2号 1月6日
内容:社会省の税外収入を見直した。障害者や保護が必要な児童などのリハビリ施設における各種サービスフィーや、社会省系高等教育機関の学費など。制定日(2020年1月8日)より30日後に発効。旧令の2012年政令第3号は失効。
2020/02
■ NPWP/PKPの登録と抹消
法令:財務大臣規則No.231/PMK.03/2019 12月31日
内容:NPWPやPKPの登録と抹消手順を見直した。
■ 仕入税の同期クレジットの原則
法令:租税総局長回状No.SE-02/PJ/2020 1月21日
内容:仕入税のクレジットについて、以下確認した:
ある期の仕入れVATは、同じ期の売上VATと相殺する。VATインボイス(Faktur Pajak)の受領の遅れなどの理由で売上VATの期と同じ期にクレジットできない仕入れVATは、当該の期終了から3ヶ月以内ならばクレジットすることができ、3ヶ月を超えた場合は修正申告をしてクレジットするが、条件がある:
① 当該の仕入れVATが経費に計上されていない、当該の課税品/サービスの取得価格に含まれていない;かつ
② PKPに対する調査がまだ行われていない
本令添付に例示がある。
■ タックスアローワンス実施細則
法令:財務大臣規則No.11/PMK.010/2020 2月11日
内容:特定業種・地域への投資に対する法人所得税便宜(タックスアローワンス)についての2019年11月12日付け政令2019年第78号の実施細則。有形固定資産価額の決定条件と手順、法人所得税便宜の申請手順、法人所得税便宜の利用条件と手順、報告義務、資産交換の手順、など定めた。旧令の財務大臣規則No.89/PMK.010/2015は失効
■ 工業セクターのタックスアローワンス条件
法令:工業大臣規則2019年第47号 12月30日
内容:特定業種・地域への投資に対する法人所得税便宜(タックスアローワンス)について改定政令2019年11月12日付第78号の第2条(5)の実施。タックスアローワンスを受けることができる工業の条件・要件リストを見直した。旧令の2018年工業大臣規則第1号は失効。
■ エネルギー分野の輸入関税・租税不徴収
(1)法令:財務大臣規則No.218/PMK.04/2019 12月31日
内容: 地熱事業活動に必要な物品の輸入にかかる関税および/あるいは租税の不徴収措置について改めた。60日後に発効。旧令の財務大臣規則No.78/PMK.010/2005および同No.177/PMK.011/2007の該当条項は失効する。
(2)法令:財務大臣規則No.217/PMK.04/2019 12月31日
内容:石油ガス上流事業活動に必要な物品の輸入にかかる関税および/あるいは租税の不徴収措置について改めた。60日後に発効。旧令の財務大臣規則No.20/PMK.05/2005および同No.177/PMK.011/2007の該当条項は失効する。
■ 租税総局長令
(1)法令:租税総局長規則No.PER-01/PJ/2020 1月13日
内容:租税債権のリスク分類と、これに基づく租税債務準備金の計算手順について。
(2)法令:租税総局長規則No.PER-02/PJ/2020 1月27日
内容:国際条約に基づく情報交換の枠組みにおける海外税務調査(TAX EXAMINATION ABROAD)の実施手順について。
(3)法令:租税総局長回状No.PER-03/PJ/2020 1月24日
内容:2003年10月28日に締結されたインドネシア~タジキスタン租税条約の発効を通知した。
(4)法令:租税総局長回状No.PER-04/PJ/2020 2月3日
内容:国際海運活動を行う海運会社に対し、その特定の港湾サービスの引き渡しに付加価値税が適用されることを確認した。
■ 首都EV優遇税制
法令:ジャカルタ首都特別州知事規則2020年第3号 1月3日
内容:バッテリー電気自動車(EV)にかかる自動車名義変更料の免除を決めた。本令は2024年12月31日まで有効。
■ 国土庁での納税者ステータスの確認
法令:農地都市計画大臣/国土庁長官規則2019年第28号 10月29日
内容:農地都市計画省/国土庁が提供するサービスについて、税務申告が期限どおりになされているか等の納税者ステータスの確認を行うことについての規定が見直された。ステータスがOKにならないと、同省/庁での手続きプロセスがストップする ことがある。旧令の2017年農地都市計画大臣/国土庁長官規則第21号は失効。
■ 公認査定士
法令:財務大臣規則No.228/PMK.01/2019 12月31日
内容:公認査定士についての財務大臣規則No.101/PMK.01/2014の2度目の変更(1度目は同No.56/PMK.01/2017)。
2020/03
■ 労働集約型産業に対する所得軽減措置
法令:財務大臣規則No.16/PMK.010/2020 3月9日
内容:パイオニア産業への新規投資会社に対する所得税の減免便宜に触れている2010年政令第94号が2019年政令第45号にて見直された際に追加された労働集約型産業の納税者に対する所得軽減措置について。
① メインストリームの事業活動に使用される、土地を含む新品の有形固定資産の投資額に対して60%、商業稼働開始時の税務年度から6年間、毎年10%のペースで所得税を軽減。
② 対象は、2017年版KBLIベースで45産業を事業とする国内法人納税者。対象KBLIごとに対象製品と対象地域、要件の指定があるほか、所得税便宜を受けようとする投資に、インドネシア人労働者を少なくとも300人雇用することが条件となる。
③ ②に合致するかどうかOSSシステムがオンライン審査し、合致すると判断された納税者が投資額計画における固定資産明細と株主の税務債務ゼロ証明を提出すると便宜申請したと見なされる。これは、新規納税者としてNIB取得のためOSS登録を行うのと同時、またはOSSが事業許可を発行してから1年以内に行われなければならない。
④ ③の申請が不備なく受け付けられた場合、OSSシステムが財務大臣に所得税便宜供与を提案。ここから5稼働日以内に、財務大臣が所得税便宜を供与する。
⑤ ①の商業稼働開始時の税務年度は、現場検査を経て、租税総局長によって決定される。
⑥ 所得税便宜を取得した納税者には、投資実現総額とインドネシア人労働者の雇用実績総数についての報告義務がある。
■ 徴税基礎の拡張目指した納税者の検査と監督
法令:財務省租税総局長回状No.SE-07/PJ/2020 2月27日
内容:租税義務の遵守向上と納税者の潜在性発掘を通じた徴税基礎の拡張と税収の最大限化を目指し、納税者検査と監督を行う上での税務署のための指針を示した。
■ 税務目的の評価指針
法令:財務省租税総局長回状No.SE-05/PJ/2020 2月27日
内容:税務目的の評価指針のうち、評価優先ターゲット・リストに基づく評価指針の追加、評価の実施根拠の任命書から命令書への変更、など。
■ 2020年度自動車税課税基礎額
法令:内務大臣規則2020年第8号 1月20日
内容:2020年度の自動車税および自動車名義変更料を計算する際の基礎額について定めた。
2020/04
■ 法人税率の緊急引き下げ
法令:法律代替政令2020年第1号 3月31日
内容:新型コロナウイルス・パンダミック防止および/あるいは国家経済や金融システムの安定化への脅威対策のための国家経済や金融システム安定化の政策を定めた。
① 財政赤字は、2022年までGDP比3%超、23年は最大3%。
② 法人税率は、2020年と21年は22%、22年以降20%。
③ 過払い税還付決定書の発行期限が来ているものは、その期限を6ヶ月延長。 など
■ 新型コロナウイルス対策としての税務便宜
法令:財務大臣規則No.23/PMK.03/2020 3月21日
内容:新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の支援策として、主に製造業を対象に、2020年9月度までの税務便宜を打ち出した。
① 従業員の源泉所得税PPh-21の軽減:事業分野分類コード(KLU)ベース440業種の企業および/あるいはKITE会社から所得を得ている従業員で、NPWPを有し、当該の月に年間グロス所得にすると2億ルピアを超えない所得を得た者が対象。軽減分は政府負担となる。期間は2020年4月度から9月度まで。雇用主である企業は、PPh-21の政府負担措置を利用することについて、登録している税務署宛てオンラインにて届け出る必要がある。2018年度法人税申告済みであることが条件。
② 輸入前払い所得税PPh-22の免除:KLUベース102業種の納税者および/あるいはKITE会社である納税者が対象。2018年度法人税申告済みであることが条件。登録している税務署宛てオンライン申請して、PPh-22徴収免除証明を取得する。同証明の発行日から2020年9月30日まで有効。
③ 予納法人税PPh-25の30%減:KLUベース102業種の納税者および/あるいはKITE会社である納税者が対象。2018年度法人税申告済みであることが条件。登録している税務署宛てオンライン経由で届け出る必要がある。届け出をした税務月から2020年9月度まで有効。
④ VAT暫定還付:KLUベース102業種の納税者あるいはKITE会社である納税者で、月次のVAT過払い額が50億ルピアまでの者が対象。VAT月次申告を通じて還付申請する。期間は本令発効した税務月から、2020年10月31日までに申告する2020年9月度まで。
⑤ 本令は2020年4月1日に発効。
■ 新型コロナ税務便宜指針
法令:財務省租税総局長回状No.SE-19/PJ/2020 3月31日
内容:上の財務大臣規則No.23/PMK.03/2020にて新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮して出された税務便宜の実施指針。
■ 対新型コロナ税務便宜
(1)法令:財務大臣規則No.28/PMK.03/2020 4月6日
内容:新型コロナウイルスのパンデミック対策に必要な物品やサービスに対する税務便宜の供与を決めた。期間は2020年4月度から9月度。
① VATの政府負担:対象となる物品は医薬品、ワクチン、検査機器、防護機器、看護機器など。サービスは建設、技術・マネジメントのコンサルティング、レンタルなど。
② 輸入PPh-22の徴収免除:対象は医薬品、ワクチン、検査機器、防護機器、看護機器などの輸入。
③ PPh-21の源泉徴収免除:対象は、新型コロナウイルスのパンデミック対策に関わる技術、マネジメント、コンサルティング、その他サービスを提供した個人納税者が受け取る報酬。
④ PPh-23の源泉徴収免除:対象は、新型コロナウイルスのパンデミック対策に関わる技術、マネジメント、コンサルティング、その他サービスを提供した法人納税者が受け取る報酬。
(2)法令:財務大臣規則No.30/PMK.04/2020 4月7日
内容:印紙リボンの貼付という方法で物品税の納付を行っている工場事業者または物品税課税品輸入業者のための物品税納付留保についての財務大臣規則No.57 /PMK.04/2017の変更。新型コロナウイルス災害下で工場事業者のキャッシュフローと生産性を支援するべく、2020年4月9日から6月9日に申請された留保付き物品税印紙リボンの注文に対し、90日間の留保を認めることにした。
(3)法令:財務大臣規則No.31/PMK.04/2020 4月13日
内容:新型コロナウイルス災害下の措置として、保税地区および/あるいはKITEの便宜を取得している企業に対し追加便宜を供与することになった。たとえば、保税地区内で使用される消毒液やマスク、防護機器、体温計、その他新型コロナウイルス感染対策に必要なものの保税地区への搬入には、輸入品の場合は関税留保や租税の不徴収、国内からの調達の場合はVATや奢侈品税の不徴収の便宜が供与される。
■ 新型コロナ災害下の税務行政上の不可抗力
(1)法令:財務大臣規則No.29/PMK.03/2020 4月7日
内容:新型コロナウイルスのパンデミックによる不可抗力下での税務行政サービスの実施について。租税総局長の決定により、サービス完了時期の延期などが定められることがある。
(2)法令:財務省租税総局長回状No.SE-22/PJ/2020 4月9日
内容:新型コロナウイルス・パンデミック防止および/あるいは国家経済や金融システムの安定化への脅威対策のための国家経済や金融システム安定化の政策を定めた2020年3月31日付け法律代替政令2020年第1号(編者注:本稿冒頭に掲載)における租税義務の履行と権利の執行の期限延長についての指針。
■ 新型コロナ・パンデミック下の2019年度所得税申告
法令:租税総局長規則No.PER-06/PJ/2020 4月17日
内容:新型コロナウイルスのパンデミックによる不可抗力下において個人の確定申告あるいは12月決算の法人税年次申告を行う納税者に、法の確実性と簡素化を供与するめ、2019年度所得税申告書の署名や申告期限、申告手順、添付書類、租税総局の審査について定めた。スタンプ署名やデジタル署名の条件付き容認、個人確定申告期限の2020年4月30日までの延長(編者注:法人税申告期限は延長なし、12月決算ならば同4月30に利まで)、一部書類の条件付き添付免除、等。
■ 財務省租税総局の新型コロナウイルス対策
(1)法令:租税総局長通知No.PENG-43/PJ/2020 3月24日
内容:対面サービスの回避のため、2020年3月26日より、外国人訪問客のVATリファンドはメールで申請することになった。出国空港に対し、パスポート、ボーディングパス、インボイスと税額票、対象物品の写真を添付し、送金を希望する申請者名義の口座番号と銀行を送信する。バリ、ジャカルタ、スラバヤ、メダン、ジョグジャの各空港の担当とした税務署のe-メールアドレスがリストアップされている。
(2)法令:租税総局長回状No.SE-16/PJ/2020 3月19日、No.SE-18/PJ/2020 3月23日
内容:租税総局における新型コロナウイルス感染防止期間の職務遂行指針について。税務署職員の在宅勤務を最大限に施行し、税務署長の承認はバーチャル・プライベート・ネットワークを通じて行うことになった。出勤職員の就業時間は9時から16時まで。
■ 新型コロナ感染予防期間の延長
(1)法令:租税総局長回状No.SE-23/PJ/2020 4月17日
内容:租税総局長回状No.SE-13/PJ/2020で2020年3月16日から4月5日までとされた租税総局における新型コロナウイルス感染予防期間は、4月2日付け租税総局長回状No.SE-21/PJ/2020で4月21日までに延長されていたが、これをさらに5月29日まで延長した。租税総局長回状No.SE-21/PJ/2020は失効。
(2)法令:租税総局広報・サービス・指導局長通知No.PENG-3/PJ.09/2020 4月20日
内容:2020年4月3日付け租税総局長通知No.PENG-2/PJ.09/2020にて4月21日までに延長されていた、空港のVATリファンド・カウンターを含む対面税務サービス行なわない期間を、さらに5月29日まで延長することを通知した
① 税務申告は租税総局サイト(www.pajakgo.id.)内のe-filingまたはe-formから申告。
② EFINのアクティベーションはツイッター@kring_pajak、www.pajakgo.id 内のLiveChat、または税務署の公式emailを通じて行う。
③ 税務コンサルテーションはARに、電話やメール、SNSなどで連絡。
④ 租税総局のコールセンター(番号1500200)は一時的に下記にて受け付ける:
a. ツイッター @kring_pajak;
b. eメール informasi@pajak.go.id(税務情報)、pengaduan@pajak.go.id(苦情);
c. www.pajakgo.id 内のLiveChat
■ 新型コロナウイルス対策アルコールの物品税免除
法令:財務省関税総局長回状No.SE-04/BC/2020 3月17日
内容:新型コロナウイルスの感染予防と収束のために必要なエチルアルコールにかかる物品税の免除便宜の供与指針を示した。
■ 緊急財政政策の細則
法令:財務大臣規則No.38/PMK.02/2020 4月18日
内容:新型コロナウイルス・パンダミック防止および/あるいは国家経済や金融システムの安定化への脅威対策のための国家経済や金融システム安定化の政策を定めた2020年3月31日付け法律代替政令2020年第1号(編者注:本稿冒頭に掲載)の細則。財政赤字を2022年まではGDP比3%超、23年以降は最大3%とする規定にまつわる予算・財政運営について定めた。
■ 事業価格移転確認制度
法令:財務大臣規則No.22/PMK.03/2020 3月18日
内容:事業価格移転確認制度(APA)の実施手順についての財務大臣規則No.7/ PMK.03/ 2015の改定。国内納税者は租税総局長に対し、特別関係者間取引にかかるAPAを申請できるとし、その申請手順、申請処理手順、申請取消手順、APA実行手順、APA評価手順、APA更新手順、など改めた。
■ NPWP/PKPの指針改定
法令:租税総局長規則No.PER-04/PJ/2020 3月13日
内容:NPWP、電子証明、PKPの通則施行指針について、旧5令を1本にまとめて見直した。
■ 税務監督委員会
法令:財務大臣規則No.18/PMK.01/2020 3月11日
内容:税務監督委員会についての財務大臣規則No.54/PMK.09/2008の2度目の変更(1度目は同No.63/PMK.09/2016)。税務監督委員会の構成を改訂した。
■ 租税総局アプリケーション障害による税務申告遅れの例外
(1)法令:租税総局長決定No. KEP-157/PJ/2020 3月20日
内容:2020年1月29日から2月3日までに発生した租税総局のアプリケーション障害により、PKP電子認証が作動せず、そのためVAT月次申告ができない事態となったことから、2020年2月1日から7日までにe-filingを通じて2019年12月度のVAT月次申告をしたPKPは申告遅れの罰則の例外とするとした。また、2020年1月29日から2月3日までに発効すべきVAT税額票を2020年2月3日から7日までに発行したPKPには、罰則取り消しが供与される。など
(2)法令:租税総局長決定No.KEP-158/PJ/2020 3月20日
内容:2020年2月20日に発生した租税総局のアプリケーション障害により、所得税PPh-21/26ならびにPPh-4(2)の月次申告ができない事態となったことから、2020年2月21日から28日までにe-filingを通じて2020年1月度のPPh-21/26ならびにPPh-4(2)の月次申告をした納税者は申告遅れの罰則の例外とするとした。など
■ たばこ工業団地
法令:財務大臣規則No.21/PMK.04/2020 3月16日
内容:物品税分野のサービスと監督の向上ならびに地方経済の活性化を目指し、中小のたばこ製造業者のためのたばこ工業団地について定めた。事業の許認可、活動、物品税の納付留保など。
2020/05
■ 新型コロナ税務便宜の拡充
法令:財務大臣規則No.44/PMK.03/2020 4月27日
財務省租税総局長回状No.SE-29/PJ/2020 4月30日
内容:新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の支援策として先に打ち出された税務便宜を拡充した。主に製造業に限られていた対象産業には特定の商業やサービス業も加わり:
① 従業員の源泉所得税PPh-21の軽減措置の対象は事業分野分類コード(KLU)ベースで旧440業種から1,062業種に;
② 輸入前払い所得税PPh-22の免除措置とVAT暫定還付の対象額引き上げ措置の対象は同旧102業種から431業種に;
③ 予納法人税PPh-25の30%縮小措置の対象は同旧102業種から846業種に
それぞれ広げられた。
また、ファイナル法人税を適用している中小事業者向けに、そのファイナル税を政府が負担する措置が追加された。
■ 法人税予納額の新法人税率への調整
法令:租税総局長規則No.PER-08/PJ/2020 4月21日
内容:新型コロナウイルス経済支援として、2020年3月31日付け法律代替政令2020年第1号(編者注:下記のように法律化)にて法人税率が2020年と21年は22%、22年以降20%に引き下げられたのを受けて、2020年の法人税の予納(PPh-25)額をこの新税率に調整することになった。法人税年次申告の期限の月次から有効。
■ 金融システム・国家財政安定化緊急政策の法律化
法令:法律2020年第2号 5月16日
内容:法人税率の引き下げを含む金融システムと国家財政の安定化緊急政策についての3月18日付け2020年法律代替政令第1号の法律化を決めた。
■ 対新型コロナ税務便宜
法令:租税総局長回状No.SE-24/PJ/2020 4月21日
内容:新型コロナウイルスのパンデミック対策に必要な物品やサービスに対する税務便宜の供与を決めた2020年4月6日付け財務大臣規則No.28/PMK.03/2020の指針。医薬品、ワクチン、検査機器、防護用品、看護用品などの物品、建設、技術・マネジメントのコンサルティング、レンタルなどのサービスの引き渡しにかかるVATの政府負担、輸入前払い所得税の免除、従業員源泉徴収所得税の免除、サービスにかかる源泉徴収所得税の免除が、2020年4月度から9月度までの期間認められるもので、その手順を示した。
■ 新型コロナによる不可抗力状態における税務行政
法令:租税総局長回状No.SE-26/PJ/2020 4月24日
内容:2020年3月31日付け法律代替政令2020年第1号や4月7日付け財務大臣規則No.29/PMK.03/2020で定められた新型コロナウイルスのパンデミックによる不可抗力下での税務行政サービスの実施指針を示した。
■ 不可抗力下でのVAT課税一本化承認書の自動延長
法令:財務省租税総局パブリックリレーション・サービス・指導局長通知No. PENG-5/PJ.09/2020 5月15日
内容:新型コロナウイルスのパンデミックによる不可抗力下での税務行政サービスの実施についての2020年4月7日付け財務大臣規則No.29/PMK.03/2020第3条に基づき、2020年3月度から7月度までにその有効期間を終えるため、遅くとも2020年1月から5月までに延長申請をしなければならないVAT課税地の一本化承認についての決定書は、PKPからの何らの申請書も必要とせず、新たなVAT課税地一本化承認決定書も発行されることなく、最長5年間延長されることを通知した。反対に延長を希望しないPKPは、その旨租税総局地域事務所へ文書で届け出ること。
■ 納税者・PKP登録の場所決定
法令:租税総局長規則No.PER-07/PJ/2020 4月17日
内容:納税者、電子商取引を通じた事業活動を行う事業者の登録地および/あるいは課税業者登録(PKP)の税務署への事業届け出地は租税総局長決定で決定されるとし、その要件や手順、税務などについて定めた。租税総局長で決定される登録地は、①大規模納税者地域事務所の管轄下の第1~4大規模納税者税務署(産業別)、②ジャカルタ特別地域事務所の管轄下の第1~6外資税務署(産業別)と上場企業税務署、外国人税務署、石油ガス税務署、③各地域税務署の管轄下の中級税務署で、PMA企業はのその事業分野に従い第1~6外資税務署のいずれか、ジャカルタに所在するBUTや外国人は外国人税務署が、それぞれ登録・届け出地とされる。租税総局長決定が出なかった場合は原則、初級税務署に自ら登録。
電子商取引を通じた事業者は、電子商取引にかかるVATの徴収者としての義務を履行するために財務大臣に指名されている、および/あるいは所得税または電子商取引税課税のための「顕著な経済参加規定」を満たしている場合は、ジャカルタ外に所在する電子商取引運営業者のBUT、海外の販売業者やサービス提供者、海外の電子商取引運営業者も、外国人税務署が登録・届け出地となる。
旧令の租税総局長規則No.PER-25/PJ/2013および同No.PER-10/PJ/2018は失効。
■ NPWP/PKPの指針改定
法令:租税総局長回状No. SE-27/PJ/2020 4月30日
内容:2020年3月13日付け租税総局長規則No.PER-04/PJ/2020にてNPWP、電子証明、PKPの通則施行指針が見直されたのを受けて、租税総局長規則No.PER-04/PJ/2020の実施指針を示した。
■ 納税依頼書の改訂
法令:租税総局長規則No.PER-09/PJ/2020 4月30日
内容:納税依頼書(SSP)の形式、内容、記入手順について定めなおした。旧6令が失効。
■ 電子商取引を通じた海外サービス等の国内利用にかかるVATの徴収・納税・申告手順
法令:財務大臣規則No.48/PMK.03/2020 5月5日
内容:電子商取引を通じて調達された関税地域外からの無形課税品および/あるいは課税サービスの関税地域における利用にかかるVATの徴収、納税、申告の手順について定めた。こうしたVATは、財務大臣に指名された電子商取引事業者が徴収、納税、申告し、税率は10%。VAT徴収証明には、コマーシャルインボイスや ビリング、オーダーレシートほか同様のものが挙げられ、これらはVAT税額票(Faktur Pajak)と同等のものと見なされるとした。本令は2020年7月1日に発効予定。
■ VAT不徴収輸送機関の引き渡し手順
法令:財務大臣規則No.41/PMK.03/2020 4月23日
内容:2019年政令第50号第6条の実施細則。VATが徴収されない輸送手段の輸入および引き渡し、ならびに同輸送機関に関わる特定の課税サービスの引き渡しと利用の条件や手順について定めた。旧令に相当する財務大臣規則No.192/PMK.03/2015、同No.193/PMK.03/2015は失効。
2020/06
■ 租税総局のThe New Normal(新常態)
(1)法令:財務省租税総局長回状No.SE-30/PJ/2020 5月27日
内容:租税総局において事務所での就業と在宅勤務を組み合わせた勤務体制の開始を決めた。一部高官は2020年6月2日から毎日出勤、その他職員のうち25%は6月2日から出勤し、6月15日からはこれを50%まで引き上げる。無症状だが新型コロナに感染していたり、経過観察中の者が同じ家に住んでいる職員、糖尿病やがん、ぜんそくなどの持病のある職員、妊娠中または出産したばかりでまだ授乳中の職員、50歳超の職員らは在宅勤務を申請できる。2020年4月17日付け租税総局長回状No.SE-23/PJ/2020は失効。
(2)法令:税総局長回状No.SE-31/PJ/2020 5月29日
内容:租税総局の苦情受付コールセンター、電話番号1500200が6月2日から再開した。
(3)法令:租税総局長回状No.SE-33/PJ/2020 6月5日
内容:租税総局がThe New Normalにおいて対面業務を実施する上での指針を示した。
(4)法令:租税総局長回状No.SE-34/PJ/2020 6月12日
内容:新型コロナウイルス流行に関わる状況下において、オンラインなどを利用した税務調査の進め方などを指示した。
■ オンライン税務裁判
法令:税務裁判所長決定No.KEP-16/PP/2020、税務裁判所長回状No.SE-12/PP/2020 いずれも5月29日
内容:オンラインでの税務裁判を行うことを決定し、その手順を定めた。
■ 初級税務署PKPのPPh-23/26申告
法令:租税総局長決定No.KEP-269/PJ/2020 6月10日
内容:PPh-23/26の源泉徴収者として全国の初級税務署に登録しているPKPステータスの納税者に、2020年8月度より、租税総局長規則No.PER-04/PJ/2017に基づいたPPh-23/26月次申告書の提出が義務付けられた。もはやPKPステータスでなくなった源泉徴収者にも租税総局長規則No.PER-04/PJ/2017は引き続き有効。本決定の後にPKPになった納税者は、PKPを取得した税務月から租税総局長規則No.PER-04/PJ/2017に基づいたPPh-23/26月次申告書の提出を行うとされた。
■ 自動情報交換の報告先/参加国リスト
法令:租税総局通知No.PENG-65/PJ/2020 5月28日
内容:外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処する目的で非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換する自動的情報交換(AUTOMATIC EXCHANGE OF FINANCIAL ACCOUNT INFORMATION)における報告先国(日本含む85ヶ国)と参加国(同103ヶ国)のリストを発表。
■ 物品税リボンのデザイン
法令:財務大臣規則No.52/PMK.04/2020 5月19日
内容:物品税リボンの形態、特徴、デザインについて定めなおした。旧令の財務大臣規則No.191/PMK.04/2009は失効。
2020/07
■ 株式公開企業の法人税率3%追加引き下げ
法令:政令2020年第30号 6月18日
内容:法人税率の引き下げを含む金融システムと国家財政の安定化緊急政策についての3月18日付け2020年法律代替政令第1号の法律化を決めた2020年5月16日付け法律2020年第2号の第5条(3)の実施。法人税率は2020年と21年は22%、22年以降は20%に引き下げられたが、1税務年度中少なくとも183日の間に最低40%の株式が市場で取引されている株式公開企業についてはさらに3%引き下げるとした。ただし、以下のような特定の要件を満たしている必要がある:
① 1税務年度中少なくとも183日の間、株主数は少なくとも300;
② 同上、各株主の保有率は引き当て・払込資本金の5%未満;かつ
③ 租税総局に申告をしている納税者
上記①および②には、株式の買い戻しや特別関係者によるものは含まれない。
旧令の2013年政令第77号(同2015年第56号で変更)は失効。
■ 新型コロナ税務便宜の延長・拡大
法令:財務大臣規則No.86/PMK.03/2020 7月16日
内容:新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の支援策として先に打ち出された税務便宜を2020年12月度まで延長した。また、対象産業も見直した:
① 従業員の源泉所得税PPh-21の軽減措置の対象は事業分野分類コード(KLU)ベースで旧1,062業種から1,189業種に。
② 輸入前払い所得税PPh-22の免除措置とVAT暫定還付の対象額引き上げ措置の対象は同旧431業種から721業種に。
③ 予納法人税PPh-25の30%縮小措置の対象は同旧846業種から1,013業種に。
また、便宜利用実績報告はPPh-21、22、25とも毎月になり、翌月20日までにオンライン報告することになった。旧令の2020年4月27日付け財務大臣規則No.44/PMK.03/2020は失効。
■ 財務省租税総局長令
(1)法令:租税総局長規則No.PER-10/PJ/2020 6月19日
内容:税務アプリケーション開発者についての租税総局長規則No.PER-11/PJ/2019の変更。
(2)法令:租税総局長規則No.PER-11/PJ/2020 6月25日
内容:VAT集中場所の1ヶ所または複数ヶ所の決定について見直した。旧令の租税総局長規則No.PER-19/PJ/2010は失効。
(3)法令:租税総局長規則No.PER-12/PJ/2020 6月25日
内容:電子商取引を通じた関税地域外からの無形課税品および/あるいは課税サービスの関税地域内における利用にかかるVATの徴収者の要件と指名、徴収・納付・申告についての財務大臣規則No.48/PMK.03/2020(弊誌2020年6月号参照)の実施細則。
2020/08
■ 農産物引き渡しのVAT代替課税基礎額
法令:財務大臣規則No.89/PMK.010/2020 7月17日
内容:VAT課税業者(PKP)による特定農産物の引き渡しには10%のVATがかかるが、この課税基礎には課税基礎額として定められた「他の価額」を用いることができるとした。「他の価額」は販売価格の10%。当該PKPには税額票の発行が義務付けられ るが、「他の価額」を用いた仕入れVATはクレジットできない。特定農産物には、ヤシ・コーヒー・カカオなど農園作物24品目、稲・トウモロコシなど園芸作物4品目、鑑賞/医薬品向け作物3品目、ゴムなど樹木林産物3品目、ロタンなど非樹木林産物7品目が挙がっている。
法令:財務大臣規則No.90/PMK.03/2020 7月20日
内容:宗教・教育・社会団体や協同組合、個人などの支援や寄付、贈与は所得税の課税対象外であるとし、その条件や供与先などを定めた。
■ VAT非課税の宗教サービス
法令:財務大臣規則No.92/PMK.03/2020 7月22日
内容:礼拝施設のサービス、宗教講和、宗教活動の実施、宗教にかかわるその他のサービスにはVATは課税されないとして、その詳細や条件を定めた。
■ タックスアローワンス規則の改訂
法令:財務大臣規則No.96/PMK.010/2020 7月24日
内容:特定業種・地域への投資に対する法人所得税便宜(タックスアローワンス)についての2020年2月11日付け財務大臣規則No.11/PMK.010/2020の変更。申請から便宜供与推薦までのプロセスは租税総局長を通じることなくOSSと財務大臣との間で進められ、便宜供与はBKPM長官が財務大臣名義で実施することになったが、便宜利用の決定プロセスは租税総局長が財務大臣名義で行う、など。2020年7月27日より15日後に発効する。
■ VAT非課税の基本必需品の条件と詳細
法令:財務大臣規則No.99/PMK.010/2020 8月4日
内容:多くの国民が必要とし、多くの国民の命にかかわるような基本必需品にはVATはかからない。その種類は、コメともみ、トウモロコシ、サゴ、消費用塩、肉、卵、牛乳、果物、野菜、イモ、香辛料、消費用砂糖、魚とし、それぞれの条件を見直し
た。旧令の財務大臣規則No.116/PMK.010/2017は失効。
■ 租税の電子異議申し立て
法令:財務省租税総局長規則No.PER-14/PJ/2020 7月29日
内容:租税異議申し立て書のオンライン提出(E-Filling)の手順を示した。異議申し立て書は電子フォームにインプットして電子署名を付す形をとり、異議の理由はPDFにしてアップロードする。本令は2020年8月1日に発効した。
法令:租税総局長規則No.PER-15/PJ/2020 7月30日
内容:グロス所得から控除できるイスラム教の布施(Zakat)と宗教に関わる寄付の受領として定められた、政府によって設立・承認された団体や機関のリストを見直し
た。全89機関。旧令の租税総局長規則No.PER-05/PJ/2019は失効。
■ PPh-23/26の電子申告書の全納税者の利用開始
法令:租税総局長決定No.KEP-368/PJ/2020 8月10日
内容:これまで段階的に導入されてきた源泉所得税PPh-23/26の電子申告書を、2020年9月度の申告からすべての納税者が使用することを定めた。電子申告書は租税総局長規則No.PER-04/PJ/2017で定められたもので、同No.PER-04/PJ/2020で定めれた電子認証の取得が必要である。
■ 新型コロナ税務便宜の指針
法令:租税総局長回状No.SE–43/PJ/2020 7月28日
内容:新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の支援策として打ち出された、従業員の源泉所得税PPh-21の政府負担便宜、輸入前払い所得税PPh-22の免除便宜、予納法人税PPh-25の30%縮小便宜、VAT暫定還付の対象額引き上げ便宜から成る税務便宜について改めた2020年7月16日付け財務大臣規則No.86/PMK.03/2020の実施指針。同大臣令により、便宜の期間は2020年12月度まで延長、対象産業も拡大した。
2020/09
■ VAT電子税額票の新アプリケーション
法令:財務省租税総局通知No.PENG-11/PJ.09/2020 9月11日
内容:VAT電子税額票アプリケーションの新バージョン、e-Faktorバージョン3.0を2020年10月1日より全国的に導入することになった。
① アプリケーションはhttps://efaktur.pajak.go.id.からダウンロード。
② データベースのバックアップは、現行使用しているdbフォルダーにて行う。
③ 現行のアプロケーションからdbフォルダーを新アプリケーションに移動させること。
■ 税務署訪問の整理番号のオンライン発行
法令:kunjung.pajak.go.id
内容:税務署訪問に当たっては、kunjung.pajak.go.idにアクセスし、用事と訪問予定日時をインプットして、訪問のための整理番号を取得することになった。登録メールアドレスに送信された整理番号は税務署訪問時に携帯し、身分証と共に税務署の職員に提示すること。特定の職員との面談希望の場合は、当該の職員と電話やワッツアップ、メールで、事前に日時を約束する必要がある。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く現状下では引き続き、租税総局のサイト等を通じたオンライン、電子手段、郵送/クーリエサービスを通じた情報入手やコンサルティング、交信を優先させるが、必要な場合には上記の方法により税務署を訪問することもできるとしている。
■ コロナ便宜:法人税予納軽減率の拡大
法令:財務大臣規則No.110/PMK.03/2020 8月14日
内容:新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の支援策として先に打ち出された租税減免便宜についての2020年7月16日付け財務大臣規則No.86/PMK.03/2020の変更。
① 予納法人税PPh-25の軽減率がこれまでの30%から50%に拡大になった。
② 政府の灌漑水使用拡張プログラムにおける納税者の建設ファイナル所得税の政府負担も決まった。2020年12月度まで。
■ 法人税率軽減の上場企業の株主リスト報告
法令:財務大臣規則No.123/PMK.03/2020 9月1日
内容:法人税率の引き下げを含む金融システムと国家財政の安定化緊急政策についての2020年3月18日付け2020年法律代替政令第1号の法律化を決めた2020年5月16日付け法律2020年第2号の第6条の実施。法人税率は2020年と21年は22%、22年以降は20%に引き下げられ、1税務年度中少なくとも183日の間に最低40%の株式が市場で取引されている株式公開企業についてはさらに3%引き下げられているが、1税務年度中少なくとも183日の間、株主数は少なくとも300、かつ各株主の保有率は引き当て・払込資本金の5%未満という要件があり、これらの株主リストや月次報告、特別関係者株主の報告の形式と手順について本令にて定めた。
■ 中小事業者のファイナル法人税指針
法令:財務省租税総局長回状No.SE-46/PJ/2020 8月18日
内容:特定の売り上げまでの中小事業者向けファイナル所得税0.5%についての2018年政令第23号の実施指針。
■ ファイナル法人税0.5%の適用期限
法令:財務省租税総局通知No.PENG-10/PJ.09/2020 9月7日
内容:2018年政令第23号に基づき、売り上げが48億ルピアまでの法人が売り上げの0.5%を毎月ファイナル法人税として納付する制度の期限を確認した。期限は、株式会社(PT)の場合2020税務年度末まで、CVやファーム、協同組合等は21税務年度末まで。以降は通常法人税に戻る。
■ LNGのVAT免除
法令:政令2020年第48号 8月24日
内容:VATが免除される戦略的課税品の輸入や引き渡しについての2015年政令第81号の変更。VATが免除される戦略的課税品にLNGを追加した。VAT免除証明書の使用は不要。
■ 新聞紙と雑誌用紙のVAT政府負担
法令:財務大臣規則No.125/PMK.010/2020 9月7日
内容:新型コロナウイルス感染拡大の印刷ベース・マスメディアの生産性への影響を憂慮し、印刷ベースのメディア企業(KBLI 58130、新聞・ジャーナル・ブレティン・雑誌の発行)による新聞紙(HS 4801)および/あるいは雑誌用紙(HS 4802、4805、4810、4811)の輸入および引き渡しにかかるVATは、2020年度国家予算で政府が負担することになった。制定日2020年9月8日から7日後に発効。
2020/10
法令:国会可決された最終法案(812ページ版)ベース 10月5日
内容:各法律の主な改正点は次の通り:
① 所得税法:
a. 税務上のインドネシア国内居住者となった、特定の専門性を有する外国人は、インドネシアでの居住開始から4年間はインドネシア国内の所得のみ課税。
b. 非課税となる配当に、その配当でインドネシア国内において投資が行われることを条件づけた。 など
② 付加価値税法:
a. 商業稼働が始まるまで資本財以外の仕入税クレジットは認められていなかったのを、製品/サービスの引き渡しや輸出がないうちでも法規に従ったクレジットであれば仕入税のクレジットができるようになった。ただし、最初の仕入税クレジットから3年以内に製品/サービスの引き渡しや輸出を行わなければならない。
b. VAT課税業者登録前の仕入税、税務調査で不備が指摘された仕入税、税額決定書が出た仕入税のクレジットも可能に。
c. 石炭にVATを課税することになった。 など
■ 対コロナ税務便宜の期間延長
法令:財務大臣規則No.143/PMK.03/2020 10月1日
内容:新型コロナウイルスのパンデミック対策に必要な物品(医薬品、ワクチン、検査機器、防護機器、看護機器など)やサービス(建設、技術・マネジメントのコンサルティング、レンタルなど)に対する税務便宜の供与期間を、当初2020年9月(度)までだったのを同年12月(度)までに延長した。便宜の内容はVATの政府負担、輸入前払い所得税PPh-22の徴収免除、PPh-21/23の源泉徴収免除。本令は2020年10月1日発効で、これに伴い2020年4月6日付け財務大臣規則No.28/PMK.03/2020は失効した。
法令:財務大臣規則No.153/PMK.010/2020 10月9日
内容:インドネシアにおいて特定の研究開発を行う納税者には、特定の期間に認識したその研究開発費の最高300%相当をグロス所得から軽減することができるとし、軽減率の内訳や軽減の手順などを定めなおした。軽減率の内訳により、知的財産権の登録義務、OSSを通じた申請や研究開発費の報告義務などがある。共同研究で複数の納税者が関与する場合は、共同研究開発活動のプロポーザルの作成が義務。
■ 通関料等のオンライン納付の見直し
法令:財務大臣規則No.148/PMK.04/2020 10月7日
内容:関税や輸出入関連租税をはじめとした、通関・物品税分野において求められる支払いのオンライン納付についての財務大臣規則No.40/PMK.04/2016の変更。通関・物品税分野で徴収されるものの種類を見直して徴収エージェントを追加した。これら徴収金は関税総局と徴収義務者によって徴収され、総局による徴収報告は国庫モジュール(MPN)を通じてオンライン提出される。一方、納付義務者による外為銀行を通じた徴収金の納付に対しては銀行取引番号(NTB)/郵便取引番号(NTP)が発行されるが、その他の外為機関を通じた納付にはその他の外為機関取引番号(NTL)が発行され、これに対して関税総局は国庫取引番号(NTPN)を付与する。本令は制定日の2020年10月8日から30日後に発効する。
■ 雇用創出オムニバス法~国税通則法の改正
法令:法律2020年第11号 11月2日
内容:
a. これまで一律月2%とされてきた、納税者による納税や納付の遅延に対して科される金利の利率を財務大臣の参考金利に従った変動制にし、ケースごとに上乗せ金利率を変えることにした。
b. 一方、過払い税の還付の遅れなどで政府が納税者に払うことになる遅延金利率も、これまでの『月2%』から『財務大臣が定める月利』に変更になったものの、ケースの別にかかわらず一律、財務大臣の参考金利を12で割った率とされており、上乗せ率もない。
c. PKPとして登録決定された事業者が、VAT税額票を作成しない、または遅れて作成した、記入に不備のあるVAT税額票を作成したことで、租税総局から徴税令書を発行された場合の罰金は、課税基礎額の2%から1%に引き下げられた。
d. VAT税額票の発行期間と異なるVAT税額票を申告したPKP、商業生産に失敗し、仕入税の還付を受けたPKPを徴税令書の発行対象から除外。
e. 納税者が申告書で申告した課税額は、課税時や税務月/年度の終了時から5年で確定するが、納税者が当該の税務月/年度に税務犯罪を犯した場合は例外であるとされた
f. 不注意で申告書の提出を失念したり、申告書を提出したものの内容が不正確だったり、正しくない説明を添付したりして、納税者が国家に損害を与えた場合、初犯であれば刑事罰には問わないものの、不足額を200%に引き上げる罰則が科されるとされていた条項を削除。
g. 課税時または税務月/年度の終了時から5年を経過してから後、税法に抵触し、法的に権限を持つ裁判で有罪と判決された場合には、納税不足追加決定通知状は発行され、その不足額に対し48%の金利が行政制裁として科せられるとされていた条項も削除。 など
■ 自動車以外の奢侈品税リストの改訂
法令:政令2020年第61号 10月15日
内容:観光用ヨットを奢侈品税課税から除外した。ただし、輸入・取得から4年の間、本来の目的に使用されなかったり、他者に譲渡されたりした場合は課税となり、1ヶ月以内に納税することとされている。納税が遅れたり、不足の場合は、罰則が科される。ヨットの奢侈品税率は引き続き75%。
■ 新印紙税法
法令:法律2020年第10号 10月26日
内容:2021年1月1日より印紙税が1万ルピアに引き上げられる。ただし、この金額は国内経済の状況と国民の所得レベルによって上下することがある。印紙の貼付が求められる領収書等の金額は500万ルピア超と定められたが、これも国内経済の状況と国民の所得レベルにより上下することあり。給与や退職金の受領書など、雇用関係に関わるものには印紙税の貼付は不要とされている。電子印紙も登場。
■ たばこ加工品の物品税規則改訂
法令:財務大臣規則No.176/PMK.04/2020 11月11日
内容:物品税リボンの貼付または物品税納付証の刷り込みという方法をとる物品税課税品の取引についての財務大臣規則No.67/PMK.04/2018の変更。その他のたばこ加工品の製品多様化に伴い、包装と内容量についての規定を見直すなどした。
■ 2021年度国家予算
法令:法律2020年第9号 10月26日
内容:2021年度の歳入は1,743,648,547,327,000ルピアで、うち税収は1,444,541,564,794,000ルピアの見込み。歳出は2,750,028,018,431,000ルピアで、1,0O6,379,471,104,OOOルピアの赤字となる。
■ 2019年度国家財政報告
法令:法律2020年第8号 10月13日
内容:2019年度の歳入は1,960,633,583,585,989ルピア、歳出は2,309,287,3O9,507,383ルピアで、348,653,725,921,394,ルピアの赤字だった。
2020/12
■ 徴税手順
法令:財務大臣規則No.189/PMK.03/2020 11月27日
内容:納税者が納税すべき税総額を期限までに納付しなかった場合に実施される徴税の手順について見なおした。まず差し押さえ官が納税者の財産の差し押さえを行うが、納税者は申請により、その差し押さえられた財産を税務債務の履行と徴税費用の支払いに充てることができる。出国禁止令は、税務債務が最低1億ルピアで、逃亡の恐れがある納税者に対して行われる等。旧令の財務大臣決定No.563/KMK.04/2000、財務大臣規則No.24/PMK.03/2008(同No. 85/PMK.03/2010で変更)は失効。
■ 2020年12月の税務行政における罰則/報酬金利率
法令:財務大臣決定No.540/KMK.010/2020 11月26日
財務大臣決定No.52/KM.10/2020 11月30日
内容: 12月1~31日までの税務行政における罰則金利や金利報酬の利率は次の通り。( )内は前月:
① 罰則金利:
a. 国税通則法第19条(1)、(2)、(3) 0.53% (0.57%)
b. 同第8条(2)、(2a)、第9条(2a)、(2b)、第14条(3) 0.94% (0.99%)
c. 同第8条(5) 1.36%(1.40%)
d. 同第13条(2)、(2a) 1.78%(1.82%)
② 金利報酬:国税通則法第11条(3)、第17B条(3)、(4)、第27B条(4) 0.53% (0.57%)
■ たばこ税の改定
法令:財務大臣規則No.19/PMK.010/2020 12月14日
内容:たばこ製造業者の分類、たばこ加工品の小売販売価格と税率、国産たばこの本/グラム当たりの小売販売価格上限とたばこ税率、輸入たばこの最低小売価格とたばこ税率などを改定。旧令の財務大臣規則No.146/PMK.010/2017とその変更2令は失効。
■ 2020年首都の地方税軽減便宜
法令:DKIジャカルタ州知事規則2020年第115号 12月11日
内容:首都の土地建物税(PBB-P2)と自動車税の軽減を定めた。
① 土地建物税を20%カット。電子課税通知書(eSPPT)の登録が条件(https://pajakonline.jakarta.go.id/esppt)。
② 公共輸送機関向け自動車(黄色ナンバー)の自動車税を50%カット。前年度までに未納税がないことが条件。
③ 2020年度のホテル税、レストラン税、駐車場税、娯楽税の納税遅れに対する遅延金は免除。
④ 2020年度に発行された広告税の納税遅れに対する遅延金も免除。
⑤ 土地建物税および公共輸送機関の自動車税の納税遅れに対する遅延金も免除。
⑥ 上記いずれも2020年12月30日までの納付が対象。